今回取り上げるのは、3月に発売されたメルセデス・ベンツ「Cクラスクーペ」の1.6リッターモデル。前編では外観や走りに注目したが、今週は内装や総評をお届けする。(文・大竹信生 写真・瀧誠四郎)
先週のエクステリアに続いてインテリアを見てみる。初めに断っておくと、内装も抜群に美しい。BMWやレクサスと比べて派手ではあるが、いやらしさはない。もちろん、ベンツに当然のように期待される品質の高さは言うまでもなく素晴らしい。
今回試乗した「C180クーペ スポーツ+」は、ダッシュボードやドアトリムに合成皮革のレザーARTICOを使用。センターコンソールにブラックアッシュウッドを配し、車内のアクセントにアルミニウムの加飾を採用している。3つの異なる素材を自然にマッチングさせるセンスは見事だ。
2眼メーターにフラットボトムのスポーツステアリング
コックピットにはスポーティーな2眼メーターが構え、ハンドルはフラットボトムのスポーツステアリングを採用している。丸形のエアコン吹き出し口はいかにもベンツらしい意匠。センターコンソール周辺はスイッチ類が少なめでスッキリとしている。どの機能もほぼ直感的に操作することができた。スイッチ類は押したときにしっかりと節度感があり、細部まで質感の高さがうかがえる。
試乗車は真っ赤な本革スポーツシートを採用。座り心地は見た目どおりに硬い。ドア側面に配置したパワーシートのスイッチは視覚的に操作しやすく、アルミパーツがこれまたお洒落。オットマンの伸縮もここで操作できるが、運転席は(少なくとも運転中は)オットマンの使用を控えたほうがいい。ペダルの操作が困難になるからだ。
ヘッドライトのオン/オフは欧州車らしくダイヤル式。基本的に「AUTO(オート)」に合わせておけば、明るさに応じてライトが自動で点灯/消灯する。日本車のように細いレバーの先端を回して操作するよりも楽だと感じるのは私だけだろうか。