電気自動車(EV)をめぐり、日産自動車と米テスラモーターズが狙う顧客層の“棲(す)み分け”が、鮮明になってきた。これはEVとの親和性が高い自動運転とも、連動していく。
日産首脳は言う。「自動運転の導入は、8月に発売したファミリーカーのセレナから始めた。自動運転もリーフで始めたEVも、まずは広く大衆に向けて普及させるのが日産の方針だから。富裕層だけを狙うのとは違う」
一方、テスラモーターズ日本法人のニコラ・ヴィレジェ社長は話す。「リーフのようなシティー・カーをテスラは出さない。ただし、日本市場には力を入れていく。国土が狭く充電インフラが世界で一番整備されている日本は、EV(電気自動車)を普及させやすいから」
テスラは、EVのスポーツ用多目的車(SUV)「モデルX」(価格は税込み895万円から)を発売した。EVのSUVは日本市場では初。いま予約しても納車は来春の予定という。「ポルシェやレクサス、アウディなどのガソリン車が競合車」とヴィレジェ社長。日本で予約や問い合わせを入れているのは、経営者や医師など40代の富裕層が多いそうだ。