「あのスカイラインが新しくなりました」。「ケンとメリーのスカイライン」(通称ケンメリ)というキャッチフレーズで大人気となった4代目スカイラインに使われたテレビCMの一節だ。この4代目に設定された「スカイライン 2000GT-R」は、ツーリングカーレースへの参加がなく、市販車の販売も1973年(昭和48年)1月からわずか4カ月という短期間で終了した。総数で200台足らずしか生産されなかったため、その希少性の高さから「幻のGT-R」と呼ばれている。日産グローバル本社ギャラリー(横浜市)を訪れ、“レジェンド”に対面した。(文・写真 津田克仁)
「スカイライン 2000GT-R」は、吸気側エアダクトの装着や4輪ディスクブレーキ化など、先代GT-Rより進化したメカニズムで注目された。また、通常のスカイラインシリーズとは異なるメッシュタイプのフロントグリル、ワイドタイヤを収めるためにフロント側に追加されたオーバーフェンダー、当時としては異例のリヤスポイラーを標準装備したエクステリアが秀逸だった。だが、販売当時でもその姿を路上で見かける機会はめったになかったという。