1991年の初代デビュー以来、ファミリー層の支持を集めてきた日産の「セレナ」が8月24日、6年ぶりに待望のフルモデルチェンジを遂げた。室内の広さや使い勝手といった3列シートのミニバンに不可欠な要素を多数改善し、フロントグリルをダイナミックかつスタイリッシュなデザインに仕上げた。グレードは人気の「ハイウェイスター」をはじめ、5種類設定した。注目の新装備や実際に乗った感想を写真とともに紹介する。(文・写真 津田克仁、運転協力 大竹信生)
自動運転技術「プロパイロット」
新型モデルで最大の特徴は、ミニバンクラスで世界初となる同一車線自動運転技術「プロパイロット」を採用したこと。高速道路の渋滞走行や長時間の巡航走行で感じる肉体的な負担の低減を目的としている。自動車専用道路において、ドライバーが設定した車速(時速30キロ~100キロ)を上限に、先行車両との車間距離を一定に保つことができる。さらに、車線中央を走行するようにステアリング操作を補助し、ドライバーの運転を快適にサポートする。
先行車両が完全に停車したときは、システムが自動的にブレーキをかけて停車する。また、先行車両が発進した場合は、簡単な操作をするだけで追従走行を再開できる。試乗車での走行では、路面の白線を認識するのにやや時間がかかる印象。一旦システムが起動すると、足をアクセルから離してもOK。ハンドルも優しく触れているだけでいい。同乗した日産担当者によると「一般道路では、急に別のクルマが横から割り込んでくることもあり得る。よって、プロパイロットはできれば高速道路で使ってもらいたい。システムを過度に頼りすぎず、安全運転を心がけてほしい」とのこと。