経営再建中のシャープを傘下に収める台湾の鴻海精密工業は22日、台湾北部の新北市で株主総会を開いた。郭台銘会長は、株主に示した年次報告書でシャープ買収について「歴史的な意義のある戦略的同盟を展開できるのは光栄だ。互いの強みを合わせ新たな局面を切り開く」と効果を訴えた。
鴻海は、主要取引先である米アップルの「iPhone(アイフォーン)」の販売減速で業績が逆風にさらされている。シャープの買収効果を強調することで、株主の理解を得たいとみられる。
ただ、シャープの液晶事業は不振から脱却できておらず、3888億円の巨額出資の是非を巡り株主から疑問や不満が出る可能性もある。
買収案件そのものは総会の承認を必要としていない。鴻海は23日に開催されるシャープの株主総会で新経営陣などが承認されれば、6月末に出資を完了する予定だ。(共同)