ケイ・オプティコム社内では当初、「引き出す人ばかりで、すぐタンクが空になるのでは」とフリータンク機能に反対する意見もあった。引き出しには月1ギガバイトまでの制限を付けたが、同社では1ギガバイトの約半分の500メガバイトから契約できるプランもあり、契約者がより安いプランに切り替える懸念もあった。
それでも高橋さんは「コミュニティーサイトでパケットをやりとりすることで利用者同士の交流も生まれる。パケットを利用者に還元することも重要」と社内で合意に至ったと話す。
同社は昨年12月、1テラバイトを入れてフリータンク機能をスタートさせた。4月末までに利用者が入れたのは累計42・9テラバイト、引き出しは同27・7テラバイト。被災地支援で急遽(きゅうきょ)開放した後も、空っぽになることなく、順調に“貯金”され、「お互いさま」精神で利用者の交流が生まれている。