通常、パケットの引き出しは毎月21日~月末に限定しているが、パケットを被災者が使えるよう開放する案を、上司の高橋裕樹さん(38)に提案。高橋さんは、翌15日朝の会議で担当役員の承諾を得て、フリータンクのパケット引き出しを同日昼に前倒しして開放した。
フリータンク機能を使うためのコミュニティーサイトの登録情報からは、居住地域など被災者かどうか特定することはできない。それでも、被災直後に必要とされる通信機能を迅速に支援しようと、全国の利用者にフリータンク引き出しを開放した。サイト上には被災地への支援や励ましの言葉が並び、パケットの寄付に「心強い」と励まされる人もいた。
その結果、15日~17日の3日間にパケットを入れた件数は1101件で前月同期間と比べて約3・5倍に上った。また、4割が初めてこの機能を使うなど多くの利用者がパケットを寄付したようだ。
異例の仕組み
大手携帯会社では、月ごとに使い切れなかったパケットを家族間で共有する仕組みがほとんどで、利用者全体でパケットを分け合うのは異例だ。