今後、6月末までに鴻海からの3888億円の出資を待って退任する。次の経営陣が行う構造改革の展望については「出資が終わっていませんので、検討をすることができない」と述べるなど、言及を避けた。
新社長に就任する戴氏は郭台銘会長の側近で、日本語も堪能。ソニーなど日本企業との取引を担当し、シャープ買収でも交渉に当たった実績がある。役員は現在の13人から9人に絞られ、内訳はシャープの指名3人、鴻海指名が6人。鴻海主導での再建が本格化する。
ただ再建は容易ではない。シャープは過去4年間で2度の希望退職を行い、若手を中心に自主的な退職も相次いでおり人材の不足が進む。一方で、削減を含めた人員の適正化や、不採算の太陽電池事業を中心とした事業の整理も不可避な情勢だ。今後、いかに人材を残し、有力な事業を育てるか、戴氏の手腕が問われることになる。