期待のロンドン線も不透明
対する日航はハワイ・ホノルル線に加え、昨春に米ロサンゼルス線を復活させるなど、全日空にはない長距離線を関空から運航している。
しかし経営破綻前のピーク時にはロンドンやパリ、独フランクフルトなど欧州に豊富な路線網を築いていたことを考えると、現状は物足りない。パリとフランクフルトは海外航空会社による路線があるが、ロンドンには関空からの直行便がない状況が続いている。
日航は、ロンドン線の復活を検討しているが、日航の西日本支配人を努める中野星子執行役員は「前向きに考えているが、まずはロサンゼルス線の成功に集中したい」と歯切れが悪い。
基準となるロサンゼルス線は平均搭乗率が80%を超え、まずまずの状況を維持している。しかしエコノミークラスの搭乗率が90%を超える一方、ビジネスクラスは伸び悩んでおり、収益性は高くない。
日航は、全日空と比べるとまだ関空路線に前向きな姿勢をみせているが、既存路線の成果を踏み台にしないと新規の路線開設はなかなか進まないのが現状だ。