小型旅客機ATR、短距離輸送で勝負 日本市場開拓、MRJとの共存可能 (1/4ページ)

2016.4.16 07:03

天草エアラインが導入した仏伊ATRの小型ターボプロップ機。イルカをデザインした機体となっている=15日午前、熊本空港

天草エアラインが導入した仏伊ATRの小型ターボプロップ機。イルカをデザインした機体となっている=15日午前、熊本空港【拡大】

 短距離輸送の地域間を結ぶ小型旅客機を製造する仏伊ATRが日本市場の開拓に力を入れている。エンジンが異なる三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の方が航続距離が長く、スピードが速いが、近距離の場合、ATRのようなプロペラ機の方がコストメリットがある。地域輸送でもMRJと補完関係を築いて、日本でのビジネス拡大を狙っている。

 15日午前、青空が広がる熊本空港に、天草をイメージした水色のイルカがデザインされた1台のプロペラ機「ATR42-600」が現れた。

 この日、熊本空港から伊丹空港まで搭乗した。離陸する際に多少揺れたが、その後は安定し、低い高度を飛び、窓からの眺めも良かった。約1時間、快適なフライトを体験した。

 運航するのは天草エアライン(熊本県天草市)。保有する旅客機はこの1機だという。同社がATRのプロペラ機の運航を開始したのは今年2月。齋木育夫専務は「経済性や環境性の高さから購入を決めた」と話す。MRJのような小型ジェット機よりも、燃費性能が45%高く、価格も大幅に安いという。

天草エアラインのような小さな航空会社は大きな投資になかなか…

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