国際線の定期運航を2010年に再開し、“日本の空の玄関口”へ返り咲いた羽田空港。機能アップに向けた懸案が18日、解消した。発着枠配分をめぐる日米両政府の合意により、需要が高い米東海岸と結ぶ昼発着の便が今秋にも実現する見通しとなった。国土交通省は、五輪イヤーの4年後までに発着枠のさらなる拡大を目指す。今後、その配分をめぐる全日本空輸と日本航空のさや当てが激しさを増すのは間違いない。
「日米の観光、ビジネス交流が一層盛んになる」。交渉妥結後、石井啓一国交相は期待を語った。利用しやすい昼間、都心に近い羽田からビジネス需要が多いニューヨークなどへの便が飛べば、出張などの利便性がぐっと高まり、航空各社にとっては「ドル箱路線」となる。
訪日観光への効果も見逃せない。米国からの客は昨年、100万人の大台を初めて超えたが、羽田から入国すれば49カ所と結ぶ国内線に乗り継ぎやすい。需要を当て込み、全日空と日航は全線1万円均一の訪日客専用プランを売り出した。観光消費の恩恵を各地方へ広げる一助となるだろう。