着陸前の航空機にレーザー光が照射される事件は、米軍普天間飛行場(沖縄県)以外でも相次いでいる。国内では民間機に対して過去6年間に少なくとも計152件。海上自衛隊と米軍が共同使用する厚木基地(神奈川県)でも平成25年4月以降、夜間着陸の際に70件以上あった。市販品より強力なレーザー光が使用された可能性もあり、中谷元・防衛相が「墜落など大惨事を招きかねない」と懸念を表明している。
「飛行中、目視による情報収集は一番大事」
ヘリコプターパイロットを務める陸自幹部はこう指摘する。飛行教育の一環でレーザーを目に当てたことがあり、「赤い残像が目に焼き付き、1分間は視力低下する」という。
航空評論家の青木謙知氏は光線照射が着陸時に多いことから、「最も集中すべきタイミング。光線が直接目に入らなくても気が散って操縦がおろそかになる危険がある。危険物を積むこともある米軍機では大きな被害が出る可能性がある」と語る。