ANA初の「A380」期待と不安 超大型機導入に踏み切った理由 (1/5ページ)

2016.2.20 07:00

成田空港に初飛来したエアバス社の「A380」=2006年11月

成田空港に初飛来したエアバス社の「A380」=2006年11月【拡大】

 全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングス(HD)が欧州エアバス製の超大型旅客機「A380」を日本の航空会社で初導入することを決めた。2016~20年度の中期経営戦略で掲げるリゾート需要獲得の目玉として、首都圏発のハワイ・ホノルル路線に投入する。同社はA380による輸送能力の向上を強調するが、導入の背景はスカイマーク再生支援に伴う“トレード条件”との側面も拭いきれず、リスクもはらんだ大型投資に期待と不安が交錯している。

 リゾート路線差別化

 「何が導入への背中を押したのか」「採算に見合うのか」

 1月29日。国土交通省で開かれたANAHD中期経営戦略の記者会見は、同時発表されたA380導入に関する質疑に席巻された。同社の長峯豊之取締役執行役員は報道陣の質問に対し「ようやくリゾート路線で(ライバルの日本航空と)戦える舞台が整ったということ」と、“真打ち”登場を強調した。

 A380は総2階建ての超大型機で、導入した中東のエミレーツ航空がファーストクラスにシャワールームを設けるなど、ホテルのような豪華設備が設置できる。

座席数も一般的な大型旅客機の約1.5倍に当たる最大853席と…

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