東京電力は30日、福島第1原発の汚染水対策「凍土遮水壁」で、建屋海側(東側)などの先行凍結を31日に始める考えを政府に伝えた。原子力規制委員会がこの日の定例会合で先行凍結を認めた。建屋の周囲約1.5キロを取り囲む凍土壁の凍結が完了するまでに8カ月かかる見込み。
高木陽介経済産業副大臣は福島県いわき市で開かれた廃炉・汚染水に関する会議後、「汚染水対策の最後の大きなステップ。安全を最大限重視していく」と述べた。
東電は建屋海側の凍結を先行させ、山側(西側)を段階的に凍らせる方針で、工程を3つに分けている。規制委が認めたのは工程の第1段階で、海側全面と山側の大部分が対象。東電は残りの部分についても今後、実施計画を申請する。
田中俊一委員長は会合で「建屋への流入水を減らすことが本質的な解決ではない。最終的には建屋の水を枯らす必要があり、今後の道筋に向けてデータを取ってほしい」と注文を付けた。