家庭や小規模事業者も電力会社を選べる電力小売り全面自由化を4月に控え、関西電力と大阪ガスが顧客争奪戦に火花を散らしている。関電は、コスト削減につながる高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の再稼働にめどが立った直後に全国最高水準の電気料金の値下げの可能性を表明した。それに合わせるように、家庭向け電力小売りに新規参入する大ガスは、独占状態の関電の現行料金より低価格となる料金メニューを発表した。関西を代表するエネルギー2社の“ガチバトル”が幕を開けた。(中山玲子)
「電気料金の値下げを実施すべく、本日から検討を進めている」
福井地裁が高浜3、4号機の再稼働差し止めの仮処分決定を取り消して一夜明けた昨年12月25日。記者会見で、関電の八木誠社長は早くもこう表明した。
値下げ時期については、「来年度のできるだけ早い段階」と説明し、新たに参入してくる新電力を意識しているのは間違いない。
全国の大手電力の中でも特に原発依存度の高かった関電は、その原発の長期停止の影響で代替となる火力発電に使う燃料費が膨らんだため業績が悪化。