ただ、一方の迎え撃つ関電は、再稼働で改善する収益を原資として電気料金を値下げする方針だ。高浜3、4号機が動けば営業利益を1カ月当たり計120億円押し上げる。続く大飯3、4号機(福井県おおい町)など別の原発の稼働状況次第で、値下げする余力が大きくなる。原発の再稼働が進めば、それだけ関電の価格競争力を引き上げることにつながる。大ガスが応じて値下げすれば、互いに経営体力を消耗するチキンレースになるかもしれない。
それでも大ガスは弱気になるわけにはいかない。来春にはガス小売りの自由化もスタートするため、今度は主客が逆転。今度は、関電が大ガスの本丸といえる関西の都市ガス市場に切り込んでくるからだ。関西のエネルギーをめぐる両社のサバイバルは互いに一歩も引けない状況になっている。