石炭火力、新設計画に暗雲 環境相が再び「待った」 電力各社は危機感 (1/4ページ)

2015.11.30 06:30

茨城県東海村にある東京電力の石炭火力発電所(同社提供)

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 原子力発電を補完する低コスト電源、石炭火力発電の新設計画に暗雲が広がっている。日本の温室効果ガス削減目標達成に支障が出るとして環境省が抑制に動いているからだ。今月、2件の石炭火力の新設計画について「是認できない」とする環境影響評価(アセスメント)の意見を表明。同様の反対表明は年初来で5件に上る。石炭火力に大きな期待を寄せる電力各社は危機感を募らせている。

 CO2排出削減重要

 「石炭火力の二酸化炭素(CO2)排出削減は極めて重要だ」

 13日、丸川珠代環境相はこう述べ、関西電力などが千葉県市原市と秋田市で進める2件の石炭火力の建設計画に環境アセスという切り札で再び「待った」をかけた。

 同省が厳しい視線を向ける石炭火力は発電量当たりのCO2排出量が天然ガス火力の約2倍。世界的にも風当たりは強まっており、英国は2025年までに原則廃止する方針を打ち出したほか、米国も天然ガス火力への移行を進めている。

 政府は温室効果ガスを30年度までに13年度比で26%削減する目標を決め、30日に開幕する国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で説明する。前提となった電源構成では石炭火力の発電量全体に占める割合を現状の30%から26%に引き下げた。

会社ごとの目標を定めない消極的な対応に不満を抱く環境省

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