関西電力高浜原発3号機(福井県)の再稼働を追い風に、全国で高止まりしている電気料金の引き下げに向けた動きが加速しそうだ。関電は早ければ4月にも値下げに踏み切り、電力小売りの全面自由化による新電力などとの価格競争に備える。光熱費負担の軽減は企業や国民生活には朗報となるが、新電力からは再稼働で大手電力のコスト競争力が飛躍的に高まることに警戒感が強まっている。
「高浜原発の再稼働後に料金を値下げすべく具体的に検討していると承知している」。林幹雄経済産業相は29日の記者会見で、関電が着実に値下げを実施することに期待感を示した。
東日本大震災後、保有原発の停止に伴う火力発電の燃料費増加で大手電力10社中7社が相次いで値上げを実施し、電気料金は家庭向けと企業向け双方で震災前に比べ3割前後上昇した。
中でも、発電量に占める原発の比率が震災前には44%と高水準だった関電は大きな影響を受け、電気料金は全国で最高水準まで上昇している。高浜3、4号機が再稼働すれば燃料費の圧縮で月120億円程度の収支改善が見込めるため、値下げで利用者の不満解消に努める。