クルーより客数が少なくて愕然… ピンチ乗り越えたANAの「おせっかい文化」 (6/6ページ)

2016.2.14 17:08

「おしゃべり」が利益につながる仕組み

「おしゃべり」が利益につながる仕組み【拡大】

 「照れくささもともない、褒める文化が根づくまでには時間がかかります。でも、面と向かってはいいづらいこともカードだと書けます。そうするためにも、常に周囲の人に目を向けている必要があるのです」(鈴木さん)

 こうした周囲をしっかりと観察するという習慣は、顧客への対応にも発揮される。ANAのCAは、乗客のニーズを引き出すために、よく観察し、想像力を働かせ、尋ねてみるという3つのステップを励行している。

 観察眼は、整備部門ではより重要性を増す。機体整備ではネジ1本の紛失が重大事故につながりかねない。しかも、人間が起こすエラーはなかなかゼロにはできない。そこで工場では「指差呼称」が行われる。確認すべきところに人差し指を向け、問題がなければ「ヨシ!」と声を出す。

 航空業界には、しばしば荒波が押し寄せる。少し前だと重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行やリーマンショックがあった。これから新たな荒波がきても、独自のES・CS向上の仕組みで、乗り越えていくのだろう。

 (岡村繁雄=構成 加々美義人=撮影)(PRESIDENT Online)

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