クルーより客数が少なくて愕然… ピンチ乗り越えたANAの「おせっかい文化」 (5/6ページ)

2016.2.14 17:08

「おしゃべり」が利益につながる仕組み

「おしゃべり」が利益につながる仕組み【拡大】

 褒める前提条件は信頼関係の構築

 そうしたANAのコミュニケーションを活性化させているのが「褒める文化」である。しかし、いきなりでは褒められたほうも戸惑ってしまう。

 「ですから、常日頃から相手を気遣っていることが大切なのです。部下が『上司が絶えず見てくれている』と感じていれば、褒めるだけでなく、叱る場合でも素直に受け止めてくれます。やはり、お互いの信頼関係が前提です」

 こう石井さんが語るように、人は認められることでモチベーションも上がる。鈴木さんも、その意味では挨拶が基本で、一緒の飛行機に搭乗するクルーが揃ったときにも「これからよろしく」と上位者から積極的に話しかけるようにしている。

 褒める仕組みで効果的に活用しているのが「グッドジョブ・カード」。職場での仲間の仕事ぶりを見て、感心したことがあれば、所定のカードに書いて渡す。カードは、カーボン式の2枚複写になっていて、2枚目が直属長にいく。それによって褒められた人だけではなく、褒めた人も認められる。

照れくささもともない、褒める文化が根づくまでには時間がかかります。でも…

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