灘中→麻布高校→東大…「私の力では絶対に勝てない」 突き動かした劣等感 (1/7ページ)

2016.1.10 17:08

都司嘉宣・深田地質研究所客員研究員、元東京大学地震研究所准教授。東京大学工学部土木工学科卒。 東京大学大学院理学系研究科修士課程(地球物理学専攻)修了。

都司嘉宣・深田地質研究所客員研究員、元東京大学地震研究所准教授。東京大学工学部土木工学科卒。 東京大学大学院理学系研究科修士課程(地球物理学専攻)修了。【拡大】

 「悔しいのですが、天才はほんとうにいる」

 「劣等感にずっとさいなまれてきたから、私しか持っていない力で勝負してやろうと生きてきました。私の力では、絶対に勝てない人たちはいます。悔しいのですが、天才はほんとうにいるのです」

 東京大学地震研究所の准教授だった都司嘉宣(つじ・よしのぶ)さん(68)が、自らのキャリアを振り返った。長年にわたり、津波や歴史地震学の権威として精力的な研究活動を続けてきた。2011年3月11日の大震災では、発生直後からNHKの番組などで津波についての解説をしたことでも知られる。

 12年3月に64歳で定年退官し、現在は、深田地質研究所(文京区)の客員研究員などを務める。東北大学の研究者らとともに調査をし、論文を精力的に書く。一方で、海外の研究者が来日すると、東北などの被災地を英語やロシア語を駆使して案内する。

 都司さんは甲子園球場の近くの小学校に通っている頃は、常に1番の成績だった。灘中(神戸市)に進学すると、1学年150人ほどのうち、130番前後になった。

「私の学力ではかなわない生徒ばかりだったのです」

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