整備の現場では、機体の種類によって人数は異なるがチームで作業をしていく。もちろんマニュアルはあるが、石井さんは“プラスα”を求めて整備の品質を高めていくべきだと考えている。結果、定時運航の維持、ひいてはCSの向上につながるからだ。そのために必要なのが、所属や世代を超えて提案ができる仕組みだといっていい。
その一つに、整備完了後のコーヒーブレークがある。「デブリーフィング」と呼ばれる状況報告だけで解散せず、工場内のデスクに集まってワイワイガヤガヤと語り合う。
「ANAは基本的におしゃべりを大切にする職場なのですが、私は『なぜ帆船は風に向かって進めるのか?』といった討論テーマを決めて、自由に発言してもらうように努めました。実は飛行機とも密接に関連していて、自分たちの仕事にも参考になって話に弾みがつくからです」(石井さん)