関西国際空港と大阪(伊丹)空港の運営権が来年4月から、オリックスとフランスの空港運営会社バンシ・エアポートなどでつくる企業連合に移管される。バンシはポルトガルのリスボン空港など世界25空港を運営するエキスパート。政府は安全保障などの観点から空港運営への外資参入に否定的だったが、最低落札額が2兆2千億円と巨額な今回はあっさり参入を認めた格好だ。企業連合は空港運営のため特定目的会社「関西エアポート」の設立を申請したが、“黒船”バンシは巨額負債を抱える関空の救世主になるだろうか。(藤原直樹)
欧米とのパイプ期待
「バンシは世界の150以上の航空会社とコネクションがある。関空の課題の欧米系に強く、交渉力を生かして関空の路線誘致を進めてくれるはずだ」
11月10日、新関西国際空港会社の安藤圭一社長は、運営権の売却先決定を発表する会見でこう話した。
バンシの運営する空港はフランスに11カ所、ポルトガルに10カ所あるほか、カンボジアに3カ所、チリに1カ所ある。世界中の航空会社とつながりがあるが、特に欧州系とのつながりが深い。