日本の住宅メーカーが中国で苦戦する理由 「爆買い」信じて臥薪嘗胆 (4/5ページ)

2015.8.22 17:06

ショールームで新築マンションの模型を眺める中国人ら=7月5日、中国湖北省宜昌市(ロイター)

ショールームで新築マンションの模型を眺める中国人ら=7月5日、中国湖北省宜昌市(ロイター)【拡大】

 とはいえ、中国人がわざわざ訪日し、家電製品や薬剤などの日本製品を大量に買い求める「爆買い」が社会現象になっているように「品質が高い『日本製品』に信頼を寄せる中国人は多い」(中国企業の役員)のは事実。いまは赤字事業でも、日本の住宅メーカーが手掛ける住宅が中国本土で増えていけば、「良いものは必ず売れる」(積水ハウス首脳)との見方もあり、中国事業の成長への期待は大きい。

 経済減速も…期待感

 さらに、最近の上海株式市場の暴落にみられるように中国経済には減速感が出ている。中国の住宅市場は「建設機械の売れ行きの動きをみても都市部は回復基調がみられるが、地方はなかなか回復の動きが見られない」(神戸製鋼所)といい、中国経済そのものに不透明感が強まっている。

 大和ハウスは、最近の中国経済の動向から「かなり厳しい事業環境になっている」(役員)とみている。28年3月期の海外事業の最終損益も14億円の赤字を想定。前期より赤字幅を圧縮するものの、中国事業が依然厳しい状況だ。

「住宅の価格設定を見誤らなければ、大きな心配はない」

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