【ソウル=藤本欣也】日本のロッテホールディングス(HD)の支配権をめぐり創業者一族が対立している問題で、創業者・重光武雄会長(92)の次男で代表取締役副会長を務める昭夫氏(60)が3日、韓国に戻り、対立する武雄氏に面会した。昭夫氏は報道陣に「事態を早く解決し企業を正常化させる」と強調したが、近く開催予定の株主総会だけでは収まらずに法廷闘争に持ち込まれ、事態は長期化するとの見方も出ている。韓国市場では同日、ロッテケミカルやロッテショッピングなど関連企業の株価が軒並み下落した。
1月にロッテHDの副会長を解任された長男の宏之氏(61)は同日、韓国から日本に向かう予定だったが、急遽(きゅうきょ)キャンセルし韓国にとどまった。対立する兄弟の間で会談の場がもたれるか注目されている。
昭夫氏が会長を務めている韓国のロッテグループによると、昭夫氏はこの日、空港から、ソウル中心部のロッテホテル内にある武雄氏の住居兼執務室に直行、「日本出張から帰ってきました」とあいさつすると、武雄氏は良い表情で「ああ」と答えたという。対話は5分程度だったという。