【上海=河崎真澄】中国人民銀行(中央銀行)は11日、外国為替レートの対ドル基準値を前日に比べ約2%切り下げる異例の措置を取った。成長エンジンだった輸出の低迷が続いている中で「元安」方向に誘導することで、国内の製造業などを支援し、景気を下支えする狙いがあるものとみられる。人民元の国際化には逆行する通貨保護的な政策だが、成長鈍化への対応策として踏み切った形だ。
人民銀行は外国為替市場で営業日ごとに基準値を示し、1日あたり、その上下2%以内での変動しか認めていない。11日の基準値として人民銀行は100ドル=622・98元と発表。公式ホームページで人民銀行のスポークスマンの発言として、「基準値の算出方法を変更する」と公表した。