注目を集めていたのが、Team Hashilus with iWorks制作による「Urban Coaster HARDMODE」という装置だ。つり下げられたブランコに座り、VRヘッドマウントディスプレイのOculus Riftを装着すると、空中を上下左右に疾走するコースターに乗って、ものすごい勢いで進んでいく映像が現れる。
扇風機によって当てられる風が、搭乗者に前へと進んでいる感覚を与える。そうした仕掛けと映像のリアルさによって、搭乗者は自分の体が左右に振られているように感じる。VRが持つ、2Dや3Dに勝る没入感の高さが現れた作品と言える。
プログラマーの古林克臣氏が制作した「VRちゃぶ台返し」は、ちょうつがいで折れる板を手で持ち上げると、Oculus Rift越しに見える和室に置かれたちゃぶ台がひっくり返り、上に乗っている寿司が飛び散る。軽く持ち上げれば近くに散らばり、強くはね上げれば遠くにある床の間まで、ちゃぶ台も寿司も飛んでいく。リアルタイムに計算を行うことで、架空の世界を何度でも生み出せるVRの可能性を、分かりやすく示した作品だ。