このため、石油元売り各社はガソリンスタンドなどに供給する灯油の卸価格を引き上げているという。ところが首都圏のスタンドでは価格競争が厳しいため、卸価格の上昇分の全てを販売価格に転嫁できていないのが実態のようだ。
東京都新宿区の米輸商事市ケ谷サービスステーションでは灯油の販売価格は現在、1缶当たり1890円。全国平均をやや上回るが、2000円台での販売が多い新宿区内では「最安レベル」という。
昨年12月に54円値上げして以降、仕入れ値が上がっても価格は据え置いており、同店の木村聖史マネージャーは「商売的には厳しいが、顧客目線の価格を心がけている」と話す。