□国民への影響に配慮-税負担軽減を!
石油連盟、全国石油商業組合連合会、全国石油政治連盟は11月14日、石油関連諸税の負担軽減を求める総決起大会を都内で開いた。石油には年間5兆円超の税金がかけられている。来年4月には消費税率が8%に引き上げられるなど負担はさらに重くなることから、国民生活への影響を考え、税負担軽減を求めた。森川桂造・石油連盟副会長(コスモ石油社長)は「消費税などの引き上げに加え、自動車課税見直し(軽減)の代替財源として燃料課税の強化が検討されている。これでは緊急時の石油の安定供給に支障をきたす」と訴えた。
◇
■自公の税調会長がエール
決起大会には国会議員75人が来賓として出席した。自民党の野田毅・党税制調査会長は「石油業界は円安で(輸入原油の代金が膨らみ)コストアップを強いられている。これ以上の税負担を石油業界に求めるのはどうかと思う」と指摘。公明党の斉藤鉄夫・党税制調査会長は「高いエネルギー価格を克服しないと、アベノミクスは成功しないといわれている。石油も(税負担軽減で)価格を下げる方向に持っていかなくてはいけない」と語った。
2013年度(予算ベース)の石油関連諸税は、原油を輸入した段階で課せられる石油石炭税(地球温暖化対策のための増税分を含む)が6500億円、ガソリン税2兆8416億円、軽油引取税9233億円、LP(液化石油)ガスにかかる石油ガス税220億円などとなっている。これに消費税(約1兆850億円)を加えると、石油関連諸税は計約5兆5850億円にのぼる。石油製品には多くの税金がかけられている。ガソリンなら、小売価格1リットル=160円(消費税込み)のうちガソリン自体の価格は96円ほど。残りはすべて税金で、石油石炭税(2.29円)、ガソリン税(53.8円)、消費税(7.6円)などとなっている。
最終的に税金を負担するのは消費者。来年4月には消費税のほか地球温暖化対策税も引き上げられ、ガソリンはこの増税分だけで現状価格から約5円上昇することになる。