マレーシアの国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の業績が好調だ。現地紙ビジネス・タイムズなどによると、今年第3四半期(7~9月期)の売上高は前年同期比45%増の345億リンギット(約1兆940億円)、最終利益は同19.4%増の172億リンギットだった。
増産が功を奏し、原油や液化天然ガス、石油製品など各事業分野で売り上げが増加した。同社の1~9月期の合計売上高は、同12.9%増の908億リンギットとなった。
同社のアッバス最高経営責任者(CEO)は「堅調な需要と事業拡大が売り上げの増加に貢献した。ドル高リンギット安の為替効果もある」と分析。マレーシア、イラクで新油田の生産を開始したうえに、停止中だった南スーダンの油田の生産再開が早まるなど、増産が軌道に乗ったのが要因だと説明した。
また、同社は今年、天然ガスも地元のマレーシアとカナダで新たに生産を開始。同CEOによると、ペトロナスの原油と天然ガスを合計した1日当たりの生産量は9月末現在、昨年の1985バレルから2098バレルに約6%増加したという。(シンガポール支局)