石油元売り各社が、海外での原油や天然ガスの開発事業に注力している。コスモ石油がスペインの石油大手と石油関連事業で包括提携したほか、出光興産はカナダでシェールガスの対日輸出ビジネスをもくろむ。国内の石油関連市場がふるわない中、各社は海外の開発事業に活路を見いだそうとしている。
「今後の海外戦略の軸にしたい」。1月下旬、スペイン石油大手CEPSA(セプサ)と石油・ガス開発事業での提携を発表したコスモ石油の森山幸二経営企画部長は、こう意気込んだ。
コスモは、主力の石油精製販売事業が市況低迷にあえぎ、思うような収益を上げられていない。一方、石油開発事業は2013年度に500億円程度の経常利益を見込むなど、収益の柱に成長しつつある。