接近するコンビニとスーパー 取捨選択…互いの強みどう生かすか (4/4ページ)

2014.1.26 07:00

イズミヤがファミリーマートのFCになったスーパーとコンビニの一体型店舗。注目を集め、開店セールは多くの客で賑わった=平成25年10月29日、大阪市生野区(頼光和弘撮影)

イズミヤがファミリーマートのFCになったスーパーとコンビニの一体型店舗。注目を集め、開店セールは多くの客で賑わった=平成25年10月29日、大阪市生野区(頼光和弘撮影)【拡大】

 スーパーの「強み」売りに

 一方、「阪急オアシス」を展開する阪食は、「コンビニにないスーパーの強みは厨房(ちゅうぼう)。生かさない手はない」(志水孝行・店舗企画室長)と、高齢者や単身世帯をターゲットに絞り込んだ上で、コンビニにはない機能強化による差別化を図っている。

 同社は売り場面積660~990平方メートルの店舗を「都市型小型店」と位置づけ、大阪市内を中心に約20店を展開。昨年12月にはJR関西本線「東部市場前駅」徒歩5分の場所に、売り場面積902平方メートルの「阪急オアシスくまた店」(大阪市東住吉区)をオープンさせた。

 同店は、21年から展開を始めた新コンセプトの都市型店「高質食品専門館」の一つ。生鮮品の対面販売やメニュー提案などが特徴で、「滑り出しは好調」という。

 少子高齢化で、縮小傾向は確実の国内小売市場。好調なコンビニ業界でも市場飽和がささやかれる中、限られたパイをめぐり“スーパーらしさ”“コンビニらしさ”の取捨選択をどう見極め、高めるかが各業界の課題となりそうだ。(田村慶子)

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