スーパーの「強み」売りに
一方、「阪急オアシス」を展開する阪食は、「コンビニにないスーパーの強みは厨房(ちゅうぼう)。生かさない手はない」(志水孝行・店舗企画室長)と、高齢者や単身世帯をターゲットに絞り込んだ上で、コンビニにはない機能強化による差別化を図っている。
同社は売り場面積660~990平方メートルの店舗を「都市型小型店」と位置づけ、大阪市内を中心に約20店を展開。昨年12月にはJR関西本線「東部市場前駅」徒歩5分の場所に、売り場面積902平方メートルの「阪急オアシスくまた店」(大阪市東住吉区)をオープンさせた。
同店は、21年から展開を始めた新コンセプトの都市型店「高質食品専門館」の一つ。生鮮品の対面販売やメニュー提案などが特徴で、「滑り出しは好調」という。
少子高齢化で、縮小傾向は確実の国内小売市場。好調なコンビニ業界でも市場飽和がささやかれる中、限られたパイをめぐり“スーパーらしさ”“コンビニらしさ”の取捨選択をどう見極め、高めるかが各業界の課題となりそうだ。(田村慶子)