コンビニエンスストアが総菜や生鮮食品などの品ぞろえを充実させてスーパー市場への侵食を強める中、首都圏が中心だった「都市型小型スーパー」が関西で増え始めている。コンビニの倍以上の店舗面積を生かし、高齢者や女性、単身者などをターゲットに品ぞろえを強化。「スーパーならでは」の強みを生かそうと躍起だ。対するコンビニは有機野菜販売など次々と新たな商戦を展開しており、都市部では業態を超えた小売り競争が激化している。
日常使い「主流」はコンビニ?
「スーパーは『日常使い』の対象ではなくなりつつある」。近畿圏を中心に展開するイズミヤの広報担当者はこう危機感を募らせる。
経済産業省の「商業販売統計」によると、総合スーパー(GMS)の売上高は、平成13年には約8兆6千億円だったが、23年には約6兆2千億円にまで減少。一方、コンビニは約6兆7千億円から約8兆7千億円に、ネットを含む通販は約2兆5千億円から約4兆7千億円に伸長した。いつでも購入できるコンビニやネットの手軽さや利便性が、スーパーの市場侵食につながっている状況は明確だ。