東南アジア諸国連合(ASEAN)各国への日本企業の進出が加速している。中間所得層の増加を背景にした世界有数の成長市場であるASEAN域内には多くの日本企業が長年にわたり先行投資を続けてきた。その成果が表われ始めている。
「日本とタイの経済的関係はさらなる拡大が期待される」。タイのニワットタムロン商務相は13日、東京・代官山のタイの物産展示館で、経済協力が今後も強まると強調した。
国際協力銀行が日本の製造業を対象に実施した調査によると、今後3年程度の投資有望国・地域(複数回答)の首位にはインドネシアが選ばれ、ブルネイを除くASEAN9カ国が20位以内に入った。人件費の上昇や日中関係などが不安視された中国は首位から4位に後退した。
「ASEANは収益の屋台骨」。三菱自動車の益子修社長は先月の記者会見で、2016年度までの中期経営計画にふれ、こう強調した。主力のタイ、インドネシアに加え、フィリピンにも新工場を作る見通しで、中計の最終年度は、約3割の販売をASEANでたたき出す考えだ。