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【ブラジルW杯】寂しいMVP マラドーナになれず メッシ「もう少しできた…」

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【ブラジルW杯】寂しいMVP マラドーナになれず メッシ「もう少しできた…」

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ドイツに敗れ、ピッチに座り込むアルゼンチンのリオネル・メッシ(バルセロナ)=2014年7月13日、ブラジル・リオデジャネイロ(吉沢良太撮影)  アルゼンチン国民の期待を一身に背負ったリオネル・メッシ(27)は、1986年メキシコ大会で母国を世界一に導いた英雄ディエゴ・マラドーナにはなれなかった。試合後、選出された最優秀選手(MVP)のトロフィーを受け取る際も顔面は蒼白(そうはく)のまま。「優勝トロフィーの方が良かった」と寂しそうにつぶやいた。

 「運がなかった」

 決勝で放ったシュートは両チーム最多の4本。後半2分、後ろからのパスを巧みにトラップし得意の左足を振り抜いたが、わずかに右へ。1点を奪われた後の延長後半13分には左クロスに猛然と走り込み、珍しくヘディングで狙った。

 終了間際に自ら倒されて得た好位置のフリーキックは、力んでゴールを大きく越えた。何度もあったチャンスを決められず、「運がなかった」と嘆いた。

 守備でボールを追わず、大半の時間はピッチをトボトボと歩いていた。批判の声もあるが、いざボールを持つとスイッチが入り、鋭いドリブルで敵陣を切り裂いた。1次リーグでは3試合連続の計4ゴールを挙げ、個人技でチームを決勝トーナメントに導いた。

 「メッシは砂漠のオアシス」と言ってはばからないサベラ監督。主将でエースの「10番」と“心中”する戦術で決勝の舞台までたどり着き、「ここまで勝ち進む原動力になった」とかばった。

 2大会を上回ったが

 2006年ドイツ、10年南アフリカ大会はともに準々決勝で敗退し、得点もドイツでの1ゴールだけ。「代表では輝けない。(所属する)バルセロナのメッシとは別人」と言われ続けてきた。チーム、個人とも過去2大会を上回ったが、肝心の決勝トーナメントはノーゴール。「もう少しできた」と悔やんだ。

 メッシとは対照的に体を張った守備で駆け回ったMFマスケラーノは「限界ぎりぎり。これ以上はできないくらい頑張った。自分たちの方が決定機はあったのに」と涙を流した。

 大会中に27歳になったメッシ、26歳のアグエロ、30歳のマスケラーノら傑出したタレントぞろいのチームは今がピーク。平均年齢は大会開幕時で28歳336日で、優勝すれば史上最高齢王者になるところだった。

 4年後のロシア大会で開催中に31歳になるメッシが、夢をつかむのは簡単ではない。気まぐれなフットボールの“神様”は、メッシにもアルゼンチンにもほほ笑まなかった。勝負は紙一重だっただけにその悔しさも大きい。(SANKEI EXPRESS

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