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【ブラジルW杯】ロッベン 走り抜き「空っぽ」 プロの本能点火 完全燃焼3位

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【ブラジルW杯】ロッベン 走り抜き「空っぽ」 プロの本能点火 完全燃焼3位

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【ブラジルW杯】決勝トーナメント_準決勝進出4チーム。※ボスニアはボスニア・ヘルツェゴビナ。FIFA(国際サッカー連盟)の順位は最新ランキング。日時は日本時間=2014年7月  サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会は第24日の7月12日(日本時間13日)、ブラジリアで3位決定戦が行われ、オランダがブラジルに3-0で勝って3位となった。オランダの全得点に絡む活躍を見せ、この試合の最優秀選手「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれたのは、「世界最速のドリブラー」と称されるFWアリエン・ロッベン(30)=独バイエルン・ミュンヘン。モチベーションの維持が難しい3位決定戦ながらプロの本能に火を付け、無尽蔵のスタミナでブラジル守備陣に切り込んだ。その鮮烈な輝きと闘志は、永くサッカーファンの記憶に刻まれるに違いない。

 開始1分で存在感

 ロッベンは試合開始1分あまりでいきなり試合を動かした。GKシレッセンのロングパスから空中戦で競り勝ち、ヘディングでファンペルシーにつないだ。リターンパスを受けて素早く縦に抜け出すと、後ろからチアゴシウバに倒されてPKを得た。キッカーは2トップを組むファンペルシーに譲ったが、前線での存在感は際立っていた。前半17分と後半ロスタイムには、相手を引きつけて右へパスを出し、得点につながるクロスをお膳立てした。その後もロッベンは終了までピッチを縦横無尽に走り回った。

 「全てを出し切り、もう自分は空っぽでクタクタ。決勝に出られなかったのが悔しくてしょうがないけれど、とにかく3位になるために全力を出した」

 試合後、ロッベンは笑みに悔しさを織り交ぜながら、早口でこうまくし立てた。3日前にアルゼンチンにPK戦で敗れた後は、「W杯は優勝を目指すもので3位や4位を懸けて戦うものではない。3位決定戦に意味はないから、もう帰りたい」と述べた。だが、この日の試合前には「試合をやらなければいけないなら、プロとして勝負に徹しないといけない」とキッパリ。試合開始のホイッスルが鳴るとスイッチが入り、闘争本能のままにボールを追い、ゴールを目指した。

 今大会のオランダは、準々決勝、準決勝のPK戦は公式記録で引き分け扱いのため、初めて無敗(5勝)でW杯を終えた。過去最高成績の準優勝(1974年、78年、2010年)には届かなかったが、低い下馬評を覆し、前回王者のスペインを1-5で破るなどファンを驚嘆させた。そして、伝統の攻撃サッカーを捨て、5-3-2の守備的な布陣で「堅守速攻」に徹した今回のオランダのサッカーは、100メートルを10秒台で駆け抜ける爆発的なスピードを誇るロッベンがいなければ成り立たなかった。

 「悔しさあるが最高」

 4年前の決勝の苦い記憶はずっとロッベンに残っていた。スペイン戦での0-0の後半にGKと1対1になり、決定的チャンスで慎重に狙ったシュートがはじかれた。「スポーツにミスはつきものだが、死ぬまで忘れることはない」と責任を背負った。

 3位の表彰式でメダルを首にかけてもらい、チームメートと記念写真に納まると、ロッベンは「1次リーグで敗退すると言われていたのに世界で3位だ。このチームをとても誇りに思う。悔しさはあるが、終わり方としては最高の部類だ」と充実感を漂わせた。

 「国のためにプレーできるのは大きな誇りだ。だから体が持つ限り、代表でプレーを続けたい」。まだまだ輝きを放ち続けることだろう。(SANKEI EXPRESS

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