SankeiBiz for mobile

【ブラジルW杯】FIFA腐敗 ダフ屋に横流し 選手向けチケットも 公式代理店幹部を逮捕

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSのスポーツ

【ブラジルW杯】FIFA腐敗 ダフ屋に横流し 選手向けチケットも 公式代理店幹部を逮捕

更新

【ブラジルW杯】決勝トーナメント_準決勝進出4チーム。※ボスニアはボスニア・ヘルツェゴビナ。FIFA(国際サッカー連盟)の順位は最新ランキング。日時は日本時間=2014年7月  サッカー・ワールドカップ(W杯)が開催中のブラジルの警察当局は7月7日、観戦チケットをダフ屋組織に横流しした疑いで、大会を運営する国際サッカー連盟(FIFA)の公式チケット販売代理店の幹部を逮捕した。ダフ屋から押収したチケットに通常なら入手不可能な選手向けなどが含まれており、FIFA関係者の関与が浮上し捜査していた。この組織は過去のW杯でも最大9500万ドル(約96億円)を荒稼ぎしていたとされ、継続的なFIFAルートの存在が疑われている。

 巨額のW杯利権

 代理店は“FIFAのドン”ゼップ・ブラッター会長(78)の甥(おい)が社長を務める会社が大株主になっている。今大会直前には2022年のカタール大会招致をめぐる買収疑惑が発覚したばかり。FIFAの腐敗がまたも露呈した。

 地元メディアやAP通信などによると、逮捕されたのは、スイスに本社を置くマッチ・ホスピタリティの幹部で英国人のレイ・ウィーラン容疑者(64)。13日に決勝戦が行われるリオデジャネイロの海沿いにある高級ホテル「コパカバーナ・パレス」に滞在中だった。ホテルの部屋から約100枚のチケットが見つかったという。

 このホテルは、FIFAの指定ホテルの一つで、ブラッター会長や各国の政府高官も宿泊していた。

 マッチ社は、FIFAから委託を受けチケットの販売を行っているほか、宿泊の斡旋(あっせん)やグッズ販売も手がけるなど、巨額の“W杯利権”を握っている。ブラッター会長の甥のフィリップ・ブラッター氏が社長を務めるスイスのインフロント・スポーツ・アンド・メディアが大株主になっており、FIFAとは極めて親密な関係にある。

 決勝は1枚160万円

 ブラジルの警察当局は(7月)1日に行ったダフ屋の一斉摘発で11人の容疑者を逮捕。コパカバーナ・パレスに自由に出入りできるアルジェリア系フランス人を主犯格と判断し取り調べていた。さらに押収したチケットに、本来なら選手に割り当てられるはずのものやスポンサー企業向けが含まれていたことからFIFAルートの横流しが浮上。ウィーラン容疑者と主犯格の電話の傍受などから逮捕に踏み切った。

 警察幹部のファビオ・バラック氏が地元メディアに明らかにしたところでは、ダフ屋組織は今大会ですでに1試合当たり約1000枚を販売し45万5000ドル(約5000万円)を荒稼ぎしていた。さらに決勝戦のチケットには1枚1万6000ドル(約160万円)の値が付いていたという。

 過去96億円荒稼ぎか

 W杯の全チケット300万枚のうちマッチ社への割り当ては44万5500枚。FIFAに返却する決まりになっている売れ残りのチケットなどがダフ屋組織に横流しされたとみられる。

 地元メディアは、この組織が過去のW杯でも1大会当たり最大9500万ドルを売り上げていたと報じた。チケットの入手は「容易だった」としており、マッチ社が以前から組織的に関与していた疑いがある。

 今大会直前には、カタールの招致活動でFIFA理事に総額100万ドルの賄賂が渡っていたと報じられ、倫理委員会が調査を進めている。今回のスキャンダルは、来年のFIFA会長選に出馬し5期目を目指すブラッター会長にとって、“致命傷”となる可能性も出てきた。(SANKEI EXPRESS

ランキング