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【ブラジルW杯】狂った歯車 スタイル貫けず 日本完敗、1次リーグ敗退「屈辱的だった」

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【ブラジルW杯】狂った歯車 スタイル貫けず 日本完敗、1次リーグ敗退「屈辱的だった」

更新

【ブラジルW杯】1次リーグ勝敗表(C組、D組)=2014年6月25日現在、※コロンビア、ギリシャ、コスタリカ、ウルグアイは決勝トーナメント進出。コートジボワール、日本、イタリア、イングランドは1次リーグ敗退決定  サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会第13日は6月24日、1次リーグ最終4試合を行い、C組の日本はコロンビアに1-4で完敗し、1分け2敗の勝ち点1でC組最下位に終わり1次リーグで敗退した。2010年南アフリカ大会に次ぐ2大会連続の決勝トーナメント進出はならなかった。日本は前半ロスタイムに、岡崎慎司(マインツ)の今大会初得点で同点に追い付いた。後半はコロンビアの逆襲をくらって3失点して敗れた。C組のもう1試合はギリシャがコートジボワールを2-1で下し、1位のコロンビアとともに決勝トーナメントに進んだ。

 ▽1次リーグC組

日本 1(前半1-1、後半0-3)4 コロンビア

 残り10分を切って勝利を決定づける3点目を日本から奪ったコロンビアは、1つ残っていた交代枠を使い、GKファリド・モンドラゴンを投入。21日に43歳の誕生日を迎えたばかりの大ベテランに、W杯史上最年長出場記録をプレゼントした。

 誤算引きずる

 「すごく屈辱的だった」と吉田麻也(まや、25)。だが、柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう、24)が直後に見舞った意地のシュートもセーブされ、試合終了間際には4点目を献上。グループ最大の難敵、コロンビアに全く歯が立たなかった。1次リーグ3試合で得た勝ち点はわずかに「1」。過去最高の「8強入り」の夢はあえなく消えた。「これが現実。無念の一言」。エース、本田圭佑(けいすけ、28)の言葉に日本サッカーの姿が凝縮されていた。

 最大の誤算は、大会の流れを左右する初戦のつまずきにある。コートジボワールに先制しながら逆転負けを喫した。攻め勝つ姿勢を強調しながら、「1点を取って、引いて守りに入った」という主将、長谷部誠(30)の指摘が本当のところだ。守備に追われて疲弊した後半、立て続けに2点を奪われて黒星スタート。一度、狂わされた歯車が元に戻ることはなかった。

 世界との差歴然

 日本代表は、2010年南アフリカ大会で16強と躍進。ただ直前に採用した守備的戦術に飽き足らなかった選手は多く、攻撃的スタイルを志向するアルベルト・ザッケローニ監督(61)の下、ボールを長く保持して攻め勝つという、新たな日本のスタンダード構築を目指してきた。

 崖っぷちで迎えた最終戦の前日、長谷部は「これから10年、20年、日本のサッカーの未来につなげられるよう、4年間積み上げてきた」とただならぬ意気込みを口にした。だが、待っていたのは第2戦から先発を8人も入れ替えてきたコロンビア相手の惨敗。ほぼ互角に渡り合えたのも後半途中までで、日本はスタイルを貫けないまま、ボール保持率では日本を下回りながら、カウンターから着実に加点する南米の強豪に歴然とした力の差を見せつけられた。「やり直せるなら、心理的な面で何かを変える」。ザッケローニ監督の嘆きも後の祭りだ。

 欧州のトップクラブでプレーする選手も増え、個々の技量は着実に上がっている。親善試合では敵地でフランスやベルギーを破ってもきた。それでも、世界ははるか前方を歩んでいたという現実。本田は「少なくとも、明日からサッカーをできるチャンスがあるのは幸せなこと。一から精進したい」と4年後を見据えた。まずは2018年ロシア大会の出場権確保が先決だが、今回のW杯で経験した世界との壁を乗り越えていかない限り、夢は幻に終わるだろう。(SANKEI EXPRESS

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