サッカー・ワールドカップ(W杯)が開催中のブラジルの警察当局は7月7日、観戦チケットをダフ屋組織に横流しした疑いで、大会を運営する国際サッカー連盟(FIFA)の公式チケット販売代理店の幹部を逮捕した。ダフ屋から押収したチケットに通常なら入手不可能な選手向けなどが含まれており、FIFA関係者の関与が浮上し捜査していた。この組織は過去のW杯でも最大9500万ドル(約96億円)を荒稼ぎしていたとされ、継続的なFIFAルートの存在が疑われている。
巨額のW杯利権
代理店は“FIFAのドン”ゼップ・ブラッター会長(78)の甥(おい)が社長を務める会社が大株主になっている。今大会直前には2022年のカタール大会招致をめぐる買収疑惑が発覚したばかり。FIFAの腐敗がまたも露呈した。
地元メディアやAP通信などによると、逮捕されたのは、スイスに本社を置くマッチ・ホスピタリティの幹部で英国人のレイ・ウィーラン容疑者(64)。13日に決勝戦が行われるリオデジャネイロの海沿いにある高級ホテル「コパカバーナ・パレス」に滞在中だった。ホテルの部屋から約100枚のチケットが見つかったという。