サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の1次リーグC組最終戦。日本はコロンビアに先制され、0-1で迎えた前半終了間際。岡崎慎司(28)は、DFを背負いながら本田圭佑(けいすけ、28)の右クロスに合わせて跳んだ。空中で身をひねり、頭でゴール右隅へ。自身の原点といえるヘディングで意地を示したが、後半途中に退いた後は失点を重ねる仲間をぼうぜんと見守るしかなかった。「自分の好きなところに球がくれば仕事ができた。でもW杯はそれだけじゃない。本当に力不足」と目を伏せた。
▽1次リーグC組
日本 1(前半1-1、後半0-3)4 コロンビア
3試合とも守備に忙殺された。ギリシャ戦まではシュートなし。エースの期待を寄せられながらの不振だった。初ゴールにも「国と国との真剣勝負で勝つには総合力が問われる。自分は何もできなかった」と悔しさだけが残った。
無心で2つのモットーを表現しようとした。一つはゴールで示した「一生ダイビングヘッド」。もう一つは「何事でも全力」だ。昨年(2013年)11月、兵庫・滝川二高時代からの友人宛てに携帯メールで心境をつづった。
「みんなきれいなサッカーにこだわるけど、俺は自分の良さで勝負したい。人が80%でやることも100%でやる。だから滑って転ぶこともある。転んだら立てばいいんや」。その泥臭さは今の代表チームの中で独特の存在感があった。