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【ブラジルW杯】「全ての責任は私」 ザック監督退任

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【ブラジルW杯】「全ての責任は私」 ザック監督退任

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退任表明の記者会見を終え、寂しげに会場を引き上げるアルベルト・ザッケローニ監督=2014年6月25日、ブラジル・サンパウロ州イトゥ(山田喜貴撮影)  サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会で2大会ぶりに1次リーグで敗退した日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(61)が6月25日、ベースキャンプがあるイトゥで記者会見し「責任は全て私にある。代表を離れなければならない」と退任を表明した。契約は今大会で満了する。一方、選手らは現地の26日未明にサンパウロから帰国の途に就いた。日本に27日夕に到着する。

 「満足していない」

 ザッケローニ監督は無念さをにじませながら会見に臨んだ。まず、W杯を振り返り、「満足していない。1次リーグを突破すると強い意気込みで臨んだ。もっといってやろうという気持ちが強かったが、結果がついてこなかった。今回のメンバーは私が選び、戦術も私が決めた。責任は全て私にある」と語った。

 日本に植え付けたかったことを問われると、「格上にも日本らしく挑んでいこうという姿勢だ。選手は私の信念を実行してくれた。少しずつ成長を見せてくれた。今大会に臨むに当たり、自信もあったが、短期間の日程でスタートからつまずいてしまった」と話し、大会へのアプローチの仕方のまずさを悔いた。そして、今後の日本に望むこととして、「ゲームの中で起こり得る不利な出来事、判定などに左右されずに継続していいプレーをしなくてはいけない。このチームを離れるが、私は日本代表の一員だと思っている」と述べた。

 この日の昼食時に退任の意向を選手に伝えた際には「もう一度W杯を戦えるとしても、選手もスタッフも同じ選択をした。このメンバーの監督であれたことを誇りに思う」と話し、おえつを漏らす選手もいたという。

 最後に監督としての4年間の日々に触れ、「就任会見で、4年後に少しでも遺産を置いていきたいと言った。何かを残せたという自負はある。何も知らずに来た私を温かく迎えてくれた日本の方々に感謝したい」と振り返った。

 ザッケローニ監督の退任について、長友佑都(27)は「4年間、この大会のために懸けてきて、こんな一瞬で終わってしまうのか。勝たせてあげられなかった…。そこが悔しくて…」と号泣した。

 長谷部に「本物の主将」

 4年間、チームのキャプテンを務めた長谷部誠(30)は、2012年に主将を返上して若手に委ねる考えを監督に伝えた時のエピソードを明かした。当時、所属していたウォルフスブルク(ドイツ)で出番を失い、自信を失いかけていた長谷部を指揮官は「今までいろんなところで監督をしたが、本物の主将はマルディーニとおまえだけだ」と鼓舞。かつてACミランでともにイタリア1部(セリエA)優勝を勝ち取った元イタリア代表の名DFを引き合いに翻意を促すザッケローニ監督に、長谷部は強い信頼を感じたという。

 攻撃的なサッカーを目指したザックジャパンは、55試合の国際試合を戦って30勝12分け(1PK勝ち含む)13敗。2011年にアジア・カップを制覇し、2年近くに及んだW杯アジア予選も難なく突破したが、昨年6月のコンフェデレーションズカップは3連敗、W杯は1分け2敗と世界の真剣勝負の場では勝利を挙げられなかった。相手との力関係で自分たちの長所を出せない時の戦い方という課題は、これからの4年に引き継がれる。(SANKEI EXPRESS

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