“特権”は海外にあり
いま韓国では、徴兵に応じて韓国兵になるかわりに、米国兵になることに“憧れる”若者が増えている。米国移民政策研究所が発表した「外国生まれの現役米国兵調査報告書」によると、2016年5月現在、米軍に服務する韓国生まれの若者は約2000人もいる。
米国兵のうち、米国以外の国の出身者を国別に見れば1位フィリピン(1万4850人)、次いで2位がメキシコ、3位がジャマイカで、韓国は4位だ。
こうした外国出身の米兵は「グリーンカード兵士」と呼ばれる。グリーンカードとは米国永住権のことで、ビザ申請が必要なくいつでも米国に入国できる。一方、米税務当局に所得申告の義務が生じるほか、扱いはあくまで外国人だ。
このグリーンカード所持者が兵役に就くと、早ければ半年で米国市民権を取得できる。選挙権や米国のパスポートなど、グリーンカードでは得られない「米国市民の権利」が手に入るのだ。通常、市民権を得るには永住権取得後3~5年と厳しい審査があるが、兵役につけば半年で手に入る。言い換えれば「本物のアメリカ人」になれるのだ。
どうせ辛く厳しい兵役につくなら、米軍に志願したほうが-。海外脱出組は今後も増えそうだ。