一見もっともらしいが、本音は、同日選で国会の改憲勢力が拡大することを恐れているからではないか。朝日は「議席の上積みを図るのが真の狙いだとしたら、解散権の乱用」で、「同日選を正当化する理屈は、見いだせない」という。だが、これでは選挙で多数派形成を目指すという議会政治の根幹を否定することになり、説得力を欠く。
ただし、選挙は水物だ。仮に首相が消費税増税の再延期を争点に同日選に踏み切ったとして、必ず勝てる保証はない。
今国会では閣僚らの失態や自民党議員の不適切な発言も目についた。「一強多弱」のおごり、緩みだとしたら政権の先行きは危うい。安倍首相は心すべきだ。