スティグリッツ氏発言要旨 消費税引き上げ「今のタイミングは適切ではない」

2016.3.16 20:03

国際金融経済分析会合(第1回)であいさつするコロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授(手前)。奥は日銀の黒田東彦総裁=16日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)

国際金融経済分析会合(第1回)であいさつするコロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授(手前)。奥は日銀の黒田東彦総裁=16日午前、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】

 今の世界経済は大低迷の状況だ。まだ危機ではないが成長は減速している。2015年は金融危機以降、最悪の状況だったが、16年はさらに弱体化すると思っている。

 最も根本的な原因の一つは、総需要の不足だ。日本が今年議長国を務める主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)などで、需要を刺激するような各国間の調整策を議論してほしい。

 日本は総需要をつくり、成長を引っ張る模範を示すべきだ。非常に強い金融政策を実施し、それが景気刺激策になったが、もう限界に達している。次に財政政策をとることが重要だ。

 消費税は総需要を増加させるものではないので、引き上げるのは今のタイミングは適切ではない。炭素税や相続税、累進制の高い所得税などで増税し、一方で教育、経済を下支えする投資支出を拡大していくことで、経済を刺激する効果があると考える。

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