政府は16日、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を見据え、世界経済情勢について有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」を初めて開いた。講師として招いたノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、世界経済は難局にあり「2016年はより弱くなるだろう」との見解を示した。
会合は不透明感が増した世界経済の安定化策を探るのが目的。会合での議論が、消費税率10%への引き上げの是非をめぐる政治判断にどう影響するかも焦点となる。
安倍晋三首相は官邸での初会合で「サミットは世界経済の情勢が最大のテーマになる」と強調し、スティグリッツ氏に「アベノミクスにも忌憚のない意見をいただきたい」と述べた。この日は石原伸晃経済再生担当相、日銀の黒田東彦総裁らも出席。計5回程度開く会合の成果をサミットの討議に生かし、世界経済の成長に向けた先進国の協調を引き出す考えだ。