23日付の主張(社説)でも、「デフレの泥沼に戻ると明確に判断するなら、延期という選択肢も必要だ」と述べており、さらに踏み込んだ形だ。
しかし、再延期となれば、17年度予算で数兆円規模と見込まれる歳入の穴をどう埋めるのかが差し迫った課題となる。日本は、いまや1000兆円を超える借金大国で、財政は先進国中でも最悪のレベルにある。
政府は基礎的財政収支を20年度までに黒字化する目標を掲げているが、その達成が危うくなれば、日本経済そのものへの信認が揺らぎかねない。
産経は30日付で、再延期は「アベノミクスのどこに問題があり、何を補うべきかをしっかり吟味すること」が前提だとし、「前回の延期判断から今に至るまでの、政策効果を厳しく検証することが欠かせない」と厳しく注文している。当然のことだ。
これに対して、再延期に真っ向から異を唱えたのは毎日と朝日。毎日は「リーマン級の危機なら再延期もやむを得ないだろう」とした首相の発言を引き、「今の景気は再延期しなければならないほど深刻なのか」と否定的な見方を示した。