朝日も、「再延期は念頭にない」と繰り返す首相の国会答弁に対し、「額面通りには受け取れない」と不信感を表明。同日選に絡めることには、とりわけ警戒感を示し、「有権者への給付を増やし、負担増は避けて、勝利を目指す。そんな思惑が込められているのは明らか」と首相の言動を強く牽制(けんせい)した。
朝毎両紙に共通するのは、消費税増税の再延期は、3年余りのアベノミクスが完全に行き詰まっている証左とする見方だ。
毎日は、首相が一昨年の解散時に「延期を決めた際、『再延期はない。(旧)三本の矢を前に進め、(増税できる)経済状況を作り出せる』と明言していた」と指摘。「仮にどうしても増税できない状況だというのなら、アベノミクスの失敗を認めるのが先だ」と断じた。
朝日は退陣要求も
朝日も、「衆参同日選は間違いだ」と題した27日付社説で毎日の指摘に同調。「それができない経済状況を招いたというなら、アベノミクスの失敗を自ら認め、潔く退陣するのが筋だろう」と辞任要求に踏み込んだ。