低質な大学の増加がもたらす弊害
朝鮮日報は、韓国人の学業能力ランクが年齢を重ねるごとに沈んでいくのは、小中高校での暗記中心の詰め込み教育による学習意欲の低下と、国際的水準に満たない低質な大学の増加が背景にあるという識者の分析を紹介している。
特に1990年代後半以降、韓国で大学が急増したものの、質的な成長を遂げられなかったことを指摘する声が大きいという。韓国開発研究院国際政策大学院の李周浩教授は「上位レベルの大学よりも、相対的に質の低い下位レベルの大学への進学が増え、大学が社会に必要な人材を育てられなかった」と説明する。優秀な若者が入学しても、きちんとした教育を受けられないのである。
このままでは、韓国人の能力が年を取るにつれ低下するという悪循環が続くことは避けられない。政府、大学、さらには企業がこうした現状に真剣に向き合わなければ、経済の低迷は止まらないし、社会のゆがみもひどくなるだろう。努力が報われない社会。ニートの学業能力の順位が韓国を上回った日本に対するメッセージととれなくもない。