ただ、そうした現実の背景に韓国の厳しい就職戦線があることも見逃せない。あまりに極端な学歴社会のため、就職活動も熾烈(しれつ)だ。せっかく猛勉強して一流大学に入っても、思うような職に就けないという若者がわんさかいるのである。
必然的に青年無職者(NEET、ニート)も増えてしまう。韓国紙、中央日報(電子版)は、OECDの調査を引用して韓国のニートの学業能力は2位だと報じた。1位は日本だった。OECDによれば加盟国全体で見るとニートは3900万人に達し、日本と韓国のニートは読解力・数的思考力が「低い水準」に該当する者がそれぞれ3%、5%で、最も少なかったという。
学業能力が高いにもかかわらず、進学や就職、職業訓練をしない、あるいはできない若者が多いという現実。学習意欲を失い、やる気も削(そ)いでしまうことだろう。韓国で自殺者が多いのもうなずける。