しかし、本気で宇宙開発先進国を目指すのならば、“基礎”がないとその計画自体も「絵に描いた餅(もち)」で終わってしまう可能性が高い。というのも宇宙に飛ばすロケットにしても、精密機械や電子部品、通信、コンピューター、人間工学など最先端の技術を基にする総合的な産業によって可能になる。さらに宇宙技術を発展させるためには、航空技術の基盤もより強固にする必要があるのだ。
それゆえに、官民挙げての取り組みが重要なのだろう。
北朝鮮版「スプートニク1号」におののく韓国
実は2013年の羅老号の打ち上げ成功は、韓国にとっては国家的な最重要課題だった。それというのも、前年の12月に北朝鮮が人工衛星搭載ロケット、つまりは事実上の長距離弾道ミサイル発射に成功していたため、韓国では「北朝鮮に後れを取った」との“屈辱”に世論が噴出していたからだ。